英語を読むのは自信ある!
でも…
ネイティブが言ってることが聞き取れない
正しく発音してるのに、
ネイティブに聞き返される!
どういうこと?
リスニングが苦手~!!
テストで高得点を取りたいのにー!
これらのお悩みは、英語が話されるときに起こる音声変化を理解すると解決できます。
どのような変化が起こるか知っておくと、『使える英語』への大きな一歩になりますよ。
英語と日本語両方を使って育ったバイリンガル、クロエです。音声変化の話は、本来は音声学に関する専門性の高いものですが、できるだけ簡潔にわかりやすく解説します。気楽に読んでくださいね!
それでは、Let’s get started!
- アメリカ発音の場合を例に解説します。
- 発音の仕方をカタカナ表記します。似た音を使いイメージしやすさを目的としたもので、実際の英語発音とは異なります。
- 日本では英語で起こるリンキングの現象、または音声変化全体を「リエゾン」と呼ぶ方が増えています。音声学上は異なる現象を指す言葉ですので、当サイトでは区別して取り扱います。
英語の音声変化とは?
単語だと発音される音が、複数の単語をつなげて発音される中で、
- 違う音に変化する
- ほとんど音が消える
のように変化すること。それが英語の音声変化です。
たとえば、この文章、
I sent you the book title I was talking about, it’s kinda good.
私が話してた本のタイトル送っといたよ、その本なんかいいんだよね。
ひとつひとつの単語をきちんと発音すると、
アイセントゥユーダブックタイトウアイワズターキンアバウトゥイッツカインダグッドゥ
のように発音されますよね。
ところが、ネイティブが実際に発音すると、
アイセンチューダブックタイローアイゥズターキンガバウイッツカインダグッ
のような響きになります。
英語の音声変化が起こる理由
『話すこと=連続する複数の単語を続けて発音すること』ですよね?
連続して発音されるなかで、単語同士が影響し合って発音しやすい音に変化します。
『一定のルールを守ることで変化が起こる』のではなく、『言葉が話されるなかで自然に生まれた』現象です。
英語の音声変化は発音がなめらかになるように起こるものです。
日本語の「ちーす(こんにちは)」「あざ~す(ありがとうございます)」のような俗語に当たるものではありません。
この記事で紹介する音声変化7種類のうち「リダクション」以外は、カジュアルな場のみでなく正式な場でも起こります。
英語の音声変化を学習するメリット
自信を持ってお答えします!音声変化を学習するメリットは下記の2つ。
- リスニング力が劇的にアップする
- 伝わりやすいスピーキング力がつく
相手が言ってることが聞き取れて、
伝わりやすく話せる・・・
コミュニケーション能力爆上がりじゃない?
英語に起こる音声変化のほとんどが日本語になく、なじみのないタイプのもの。英語学習者の悩みの多くが、音声変化の知識がないことが原因で起こっています。
- 単語がつながって聞こえ、切れ目がわからない
- 文字と実際の発音が合わず、聞き取れない
- ネイティブは全員早口だと感じる
- 自然なリズム・スピードで話せない
- 自分の発音はネイティブの発音と全然違うと感じる
英語学習者のお悩みは盛りだくさん。英語と日本語は似た言語ではないので当然です。音声変化を知って、英語習得の基礎固めをしましょう。
よっしゃあ!
基礎固めやるわよっ!
おっ、いい感じですね!それではどんな種類のものがあるか、具体的にみていきましょう。
英語の音声変化の種類一覧
英語の音声変化にはたくさんの種類があります。また、研究者・解説者によって分類方法が異なることも。
無数にあるパターンを暗記しようとするよりも、基本的なルールをざっくり理解することをおすすめします。
基本パターンを知った上で、生きた言葉にたくさん出会い、少しずつ体にしみ込ませるように習得してください。
この章では、押さえておきたい代表的なルールを6つ紹介します。
ボックス内の名称から
掲載箇所へ飛べるよ♪
音声変化①リンキング(連結) linking
『前の単語の最後の音』と『後ろの単語の最初の音』がつなげて発音される
代表的なパターンは、
前の単語の最後の音 子音
+
後の単語の最初の音 母音
の組み合わせです。いくつか例を見てみましょう。
can I
リンキングが起こると・・・
キャンアイ 👉 キャナイ
find out
リンキングが起こると・・・
ファインドゥアウトゥ 👉 ファインダウ
ネイティブの間で楽しまれている、リンキングについての鉄板ジョークがあります。レストランの店員さんが「スープかサラダ、どちらがよろしいですか?」と確認するとき、
Soup or salad?
リンキングが起こるので・・・
スープオアセァラドゥ 👉 スーパーセァラ
とたずねます。・・・はい、そうです。
Super salad?
スーパーサラダ!?すごそう!
それにします!!!!
と答える、というオチです。ジョークではなく実際に経験する方もたくさんいるようですよ。おもしろいですね。
リンキングについては別の記事で解説しています。くわしく知りたい方はチェックしてみてください。
音声変化②同化 assimilation
前後の音が互いに影響し合い、別の音に変化する
代表的なパターンは、
前の単語の最後の音
+
後の単語の最初の音
👇
ひとつの別の音になる
いくつか例を見てみましょう。
could you
同化が起こると・・・
クッドゥユー 👉 クッジュー
meet you
同化が起こると・・・
ミートゥユー 👉 ミーチュー
①で解説したリンキング(連結)と混同されやすいのですが、2つの音がつながった結果、
ひとつの新しい音が生まれる
のが同化です。
音声変化③フラッピング flapping
tやdの音が日本語の「ラ行」「ダ行」のような音に変化する
いくつか例を見てみましょう。
a lot of
フラッピングが起こると・・・
アロットゥアヴ 👉 アララヴ
not at all
フラッピングが起こると・・・
ナットゥエァットゥオール 👉 ナレロ-ル
・・・アララヴ・・・
ナ、ナレロール・・・
大丈夫です!すぐに慣れます!アメリカ英語でよく耳にしますよね。
アメリカ人って
water のことを
ワーラーって言うよね
そう、それです!フラッピングについてじっくり解説した別記事を用意しています。特にアメリカ英語発音を習得したい方は読んでみてくださいね。
音声変化④脱落 elision
スペルにはあるが発音されない、または、 かすかに発音される
代表的なパターンは、
前の単語の最後の音 b,d,g,k,p,t
+
後の単語の最初の音 子音
👇
前の単語の最後の音が発音されない
b,d,g,k,p,tは破裂音と呼ばれる種類の音です。『破裂音が語末にある単語+子音で始まる単語の組み合わせ』、『文末が破裂音』の場合、脱落がよく起こります。
声を出す器官(唇・舌など)を使って息の流れを止め、破裂させるように開放しながら出す音
声帯を震わせて発音 有声破裂音
👉 b,d,g
声帯を震わせず発音 無声破裂音
👉 k,p,t
脱落が起こる例をいくつか見てみましょう。
most popular
脱落が起こると・・・
モウストゥポピュラー 👉 モウスポピュラー
bad guy
脱落が起こると・・・
ベァッドゥガイ 👉 ベァッガイ
脱落と呼ばれていますが、かならずしも『音が完全に抜け落ちる=全く発音しない』というわけではありません。
破裂音を発音する場合と同じ動きをした上で『破裂させない=音(息)を外へ出さない』という発音をしているんです。
ん?ん?
破裂音を破裂させないで発音?
たとえば most popular のtの場合。通常 t は『舌先を前歯裏の歯茎につけて、息の流れを止めた状態から破裂させるように息を出す』方法で発音しますが、『息の流れを止めた状態まで』で終わらせます。
tの場合、息の流れを止める発音法は舌で止める Stop T と喉で止める Glottal T があります。息の流れを止めるため、音として外に出ません。
脱落として分類されている多くのパターンが、実際にはこれらの方法で発音されています。
発音しなくてラクかと思ったら
ちがう感じで発音してたのか・・・
bad guy と発音する場合、『d の音が脱落する』という考えに沿って完全に d を発音しなかった場合、
ベァガイ
となります。実際に発音してみると、ネイティブの発音と何かが違うのがわかります。
明らかに違うのがリズム。『息の流れを止める発音』は、声が外に出ない一瞬の動きですが、するかしないかでリズムが違ってくるのです。
完全に音を脱落させても、ほとんどの場合相手に通じ、それらしくも聞こえます。ただ、ネイティブと同じ響きをもたせて話したい方は省略せずトライしてみてください。
私はやるわよっ!
ネイティブ発音を目指すワ
音声変化⑤短縮 contraction
複数の単語をくっつけて短くして発音される
英語を読むとき、聞くとき、頻繁に出てくる音声変化です。いくつか例を見てみましょう。よく見るものばかりですよ。
一見するとカジュアルな印象を受けますが、正式な場での会話、スピーチなどでも使われます。
音声変化⑥リダクション reduction
複数の単語をくっつけて変形させ短く発音される
いくつか例を見てみましょう。
これらは、正式な場では使われません。
使う相手・場面を間違えると、常識のない人だと思われてしまうので、よく見きわめてから使うようにしてくださいね。
親しい仲でのメッセージなどでそのまま書かれることはありますが、正しい書き言葉としては存在しませんので書くときも注意が必要です。
音声変化⑦弱形 weak forms
基本の発音より曖昧な音で弱く速く発音される
日本語と英語の大きな違いは、表現の仕方です。
- 日本語 👉 高低
- 英語 👉 強弱
ほかにもリズム・イントネーション(抑揚)など数えればキリがありませんが、日本語は強弱で表現しないため、最も大きな違いだと言えるでしょう。
強弱とは声のボリュームではありません。発音の仕方が『ハッキリとして強い』か『曖昧で弱い』かです。
強弱のつけ方のベースとなるのは、こちら。
相手に意味を伝える上での重要度
意味を伝えるときの重要度?
判断できるかな・・・
判断できます!まず、すべての単語が内容語と機能語に分類できることを知ってください。
上の比較表の通り、弱く発音されるのは機能語です。どのようなものがあるか見てみましょう。
前置詞
on in for at to of
冠詞
a an the
助動詞
can should will must
be動詞
am are is was were
接続詞
and before but if after
関係詞
who which whose when
※記載の単語は一例です。
ほとんどの場合、文中の機能語は弱形で発音されます。下の例文のすべての機能語を赤文字にしてみました。
Sophie is in love with a French guy who has a girlfriend.
ソフィーは彼女がいるフランス人男性に恋しています
赤文字を弱く素早く発音してみてください。急に英語らしいリズムが出ませんか?
母音が弱形で発音されるほとんどの場合、『schwa (シュワ)』と呼ばれる曖昧な音に変わります。
決まった音でなく、さまざまな条件によって変化する曖昧な音です。別の記事にまとめましたので、ぜひ読んでみてくださいね。
弱形を使って強弱・長短・明瞭さに差をつけて発音すると、英語独特のリズムで話せるようになります。また、曖昧な音を聞き取れるようになると、リスニング力アップも期待できますよ。
ふむふむ
そういう理由で
リズミカルなのかー
機能語は基本的に弱形で発音されますが、
- 意味を伝える上で重要な場合
- 話し手が強調したい場合
などには強くクリアに発音されます。
例)
Guess who’s coming to the party?
Emma, Ava, Ryan and Madison!
パーティーに誰が来ると思う?
エマとエイヴァとライアンと、それにマディスン!
マディスンが来ることを強調したい場合、日本語でも、
「そ・れ・に!(じゃじゃーん!)マディスン!」のように
「それに」を強め・長めに言いますよね。
英語でも伝えたい重要度が上がれば弱形になりません。
音声変化を身につけるための学習法
無数のパターンが存在する音声変化は丸暗記する学習に向いていません。大まかな基本パターンを理解したら、実際に英語を使っていくなかで少しずつ身につけることをおすすめします。
最も大切なのは、たくさんの英語にふれること。その手助けとなる方法を4つ紹介します。
シャドーイング
シャドーイングとは、ネイティブによるお手本の音声を流しながら、追いかけて同じように声を出す学習法です。
お手本の発音・リズム・イントネーションをそのまま真似ることで、さまざまな種類の音声変化が身につきます。
シャドーイングは発音のみでなく英語力全体がアップする学習方法です。くわしく解説した別記事を用意しました。読んでぜひトライしてみてください!
シャドーイングが「効果絶大!」「効果なし!」と英語業界で意見が対立しているナゾを解決した上で、レベル別の効果的なやり方や注意点などを熱く語っています。
VoiceTube
VoiceTubeは学習機能付きのYouTube動画を使って、英語を楽しく学べるアプリです。(※web版もあり)
有料プランもありますが、無料のままで下記の機能すべてを利用できちゃいます。
- 字幕の切換え
英語・日本語・英日両方・字幕無し - 単語のチェック
- 気になる単語・センテンスの保存
- フレーズごとのリピート再生
- 英語力レベルに応じた動画検索
- 英語力レベルに応じた単語表示
ワオッ
これで無料!?
特に優秀な点は、英語力のレベルに応じた学習が可能なところ。動画のレベル別検索はもちろん、表示される単語リストもレベルに応じてカスタマイズできます。
web版(公式サイト)での単語表示の選択画面はこんな感じ。
フフ・・・
私は単語の保存機能を使って
自分専用の単語帳を作ってるよ!
公式チャンネルの使い方動画をご紹介しておきますね 👇👇👇
YouTube動画を使っているので短めのものが多く、いきなり映画やドラマに挑戦するより気軽に取り組めますよ。
👉web版はこちらから
👉ios版はこちらから
👉Android版はこちらから
教材
音声変化をまんべんなく紹介している教材で、主要なパターンをひと通り学習するのもよいでしょう。
リスニング力の強化を目的とした音声データ付きの教材がおすすめです。
注意点は『教材のみでの学習』にならないこと。音声変化は、分類のパターンとしては数種類ですが、単語そのもの、単語の組み合わせによって無数に存在するからです。
たしかに・・・
単語も組み合わせもいっぱいある。
教材にあるものだけじゃないものね。
音声変化がたくさん収録されている教材をひとつご紹介しておきますね。中級者以上の方向きです。
英語の音声変化学習2つの注意点
伝わる英語の習得には、音声変化を知ることが不可欠です。
長い時間をかけて無理なく身につけていくために、注意点を2つ知っておいてください。
- ルールにしばられすぎない
- ネイティブへのチェックは相手を選ぶ
ひとつずつ解説しますね。
ルールにしばられすぎない
音声変化のパターンは無数にあります。時代、地域、話し手などに影響を受け、長い年月をかけて現在の発音方法が出来ました。今後も変化し続けます。
『ルール』が先にあって、それを守っているのではありません。自然に生まれた音声変化が先にあって、それらが連結・同化・脱落などの『音声変化の種類』に分類されています。
だから・・・、
まずは全種類覚えてやるわよっ!
と、意気込んだり・・・、
ルール通りだと変化するはずなのに
この言葉ではしてないじゃない!
などとガチガチに考えず、ざっくりと理解した上で、音声変化に出会うたびに楽しんで習得してください。
ゆっくりと時間をかけて身体にしみこませましょう。慣れてくると「ここはこう変化する」と考えなくても、反射的に出来るようになりますよ。
英語力を伸ばすのと一緒に
少しずつ身につけよう!
チェックをお願いする場合は相手を選ぶ
音声変化についてネイティブに確認するときは、できるだけ英語指導者など知識を持った人を選びましょう。
どの言語の話し手でも、母国語を話すときの発音は無意識にしているものです。音声変化の知識を持っていない場合、本人の感覚のみに頼った回答が返ってくるからです。
たしかに日本語の発音の仕方とか
意識したことないな・・・
たとえば、
most popular のtの発音を確認したい時
tって発音しないよね?
とネイティブにたずねたときの回答が・・・
しないよ!
・・・のひと言だった場合、回答を受け取ったあなたは、
息の流れを止める方法での発音を無意識にしている
という事実を知ることができません。
tは声を出してないから
「発音しない」でいいよね~
うん、してないしてない
・・・のように、ネイティブが母国語の発音について意識できる範囲で答えてしまうのは、ごく自然なことです。
うんうん・・・
そういや日本語の発音とか
正しく教える自信ないわー
確実な情報を得たい場合は、できるだけ知識を持ったネイティブに確認してください。
Rの発音をするとき、舌を「絶対に巻かない」と断言するネイティブがいます。たまたま「自分が巻かない派」で「巻く派」の存在を知らないことが原因です。感覚による回答で生じる誤解の一例と言えるでしょう。
「舌を巻く、巻かない」についてのお話を含みRの発音を別記事でくわしく解説しました。興味を持たれた方はどうぞ。
オンライン英会話の先生に確認してみるのも手軽ですね。ネイティブのレッスンが受けやすいスクールは下記の3つ。レッスンで気になる音声変化に出会ったら、先生に確認してみましょう。
講師全員がネイティブ
プラス料金でネイティブのレッスンが受け放題
まとめ(クロエのつぶやき)
今回の記事では、
- 英語の音声変化が起こる理由
- 7種類の音声変化
- 音声変化のおすすめ学習方法3つ
- 音声変化学習の注意点
を中心に、英語の音声変化について押さえておくべきポイントを解説しました。
知っておくとリスニング、スピーキングの力がアップ!コミュニケーションの道具としての英語力が何十倍も強くなります。
だからこそガチガチに構えず・・・
ハイハイ、
『ざっくりと理解して、
あとは英語にたくさんふれる』
でしょ?
わかってるで~
身体にしみこませるねんな?
・・・はい。しつこくスミマセン。大きくとらえて柔軟な姿勢で向き合っていただきたいんです。ぜひ身につけて、英語らしいリズミカルな発音を楽しんでください!
ここまで読んでくださったあなた、ラヴユ~ソーマッチ。
記事がお役に立てればとってもハッピーです。